アシックスのランニングシューズ、EvoRide SPEED(エボライドスピード)です。
走行効率性を追求したGUIDESOLEの独特な走り心地が大きな特徴であるEvoRide(エボライド)シリーズの4代目になりますが、モデル名に「4」の数字ではなく「SPEED(スピード)」が加わって文字通りにこれまでよりスピードを意識した作りになっています。
それでもアシックスがターゲットとするランナーの走力的なレベルが上がったわけではないようで、実際に使用してもEvoRide3までと同じようにサブ4以上を目指すランナーからもう少しゆっくりペースで楽しみながら走るのにも向いていると感じます。
ただ、アシックスのコンセプトチャートではMETARIDE(メタライド)やGLIDERIDE(グライドライド)とは区分が別になっています。
サイズ感と履き心地
サイズ感
ウィズ(足囲)はメンズとレディースともにスタンダード(標準)とワイド(広め)の2種類です。メンズのスタンダードとワイドはそれぞれ「2E相当」と「3E相当」ですが、レディースは「E相当」と「2E相当」です。メンズの4E相当のエキストラワイド(かなり広め)はありません。
エボライドスピードのサイズ展開は下記の通りです。
- メンズ:24.5~29.0cm(0.5cm刻み), 30.0, 31.0, 32.0cm
- レディース:22.5~26.5cm(0.5cm刻み)
項目 | 左足 | 右足 |
足長 | 25.2cm | 25.3cm |
足幅 | 9.7cm | 10.0cm |
足囲 | 23.3cm | 23.9cm |
かかと幅 | 6.6cm | 6.5cm |
足甲高さ | 6.0cm | 6.1cm |
エボライド スピードで選んだサイズはエボライドの初代から同じでメンズのスタンダードの26.5cmです。
前足部は初代から変わらず窮屈になりません。足長的にはつま先に十分な余裕があり指回りも楽なフィット感で前モデルの3代目よりも初代や2代目に近いゆとりを感じます。アシックスで他のモデルと比べても足長的に小さい方ではないと思います。
中足部から踵にかけては細めでしっかりフィットします。甲の部分はエントリーモデルからのステップアップでシュータンの薄いシューズに慣れていないと靴紐で少し圧迫感があるかもしれません。
足長 | 小さい | |・・・・・・・| | 大きい |
爪の上側 | 低い | |・・・・・・・| | 高い |
横幅 | 細い | |・・・・・・・| | 広い |
甲の部分 | 低い | |・・・・・・・| | 高い |
ハトメの間隔 | 細い | |・・・・・・・| | 広い |
かかと部 | 細い | |・・・・・・・| | ゆるい |
アッパーとソール
アッパーの履き口周りの生地はボリュームがありソフトな感触です。それ以外の部分は3代目までよりふんわり感は抑えめで少しカッチリとしています。そのため足がブレにくく個人的にはエボライドの中では一番好みのフィット感です。前足部の生地はソックスが透けて見えるくらいでこれからの暑い時期も蒸れにくそうです。
ハトメの数は2段ハトメ用を除いて内外に5対ですが中足部のホールド感は弱くないです。
シュータンも薄手でメッシュ状の部分や穴が開いてるとこともあり通気性が良いと思います。両端はバンド状のものがアッパーとつながっているため足を包み込むようにフィットして走行中も横にズレにくくなっています。
ミッドソールの素材は軽量で柔らかく弾力性のあるFF BLAST(フライトフォーム ブラスト)が採用されています。そして、他のモデルの3D SPACE CONSTRUCTIONと同じものか分かりませんが、ミッドソールの表面に六角形の溝を配置してあるため踵からの着地では柔らかさを感じやすいです。
その柔らかさにより、つま先の反り上りが印象的なGUIDESOLE(ガイドソール)によるコロンと転がる感覚が弱まるかと思いましたが、前足部は弾力性が強過ぎず思ったよりコシがあるためGUIDESOLEの良さを損なわないと感じました。
アウターソールのパターンは今回のモデルからコンセプトチャートで同じ区分になったMETASPEED+シリーズやMAGIC SPEED2などと似ています。しかし、ラバー部分はグリップ力の高いASICSGRIPではなくHYPER SPEED2と同じAHAR(エーハー)です。それでも個人的には不満はなく普段使いでは十分です。
踵部はヒールカウンターがソールに近い下側に入って硬めですが、手で押すとしなる感じでガチガチではないです。履き口周りの柔らかさもありホールド性に優れながら優しいフィット感です。
中敷き
中敷きはふんわりして柔らかいです。個人的にはミッドソール自体が柔らかいのでもう少し硬めでも履きやすいと思います。
厚みは前足部の底が平面でなくカーブしているため均一ではないですが、つま先部分は約4mmで踵部分は約7mmです。
最後に
エボライドスピードの見た目は上位モデルに寄せて作られていますが使用されている素材や機能は価格なりです。
しかし、個人的にはそれらが却って履きやすさにつながっているようにも思います。カーボンは入っておらず反発やグリップが強すぎないのでラクな走り心地ながら走力以上にシューズに走らされる感覚も少ないためランニングに慣れてきた方がもう少しスピードを感じたい場合に走りやすいと思います。
ただ、はじめてガイドソールのモデルを使用する場合は、歩いても走ってもコロンと転がる感覚が足に合うかどうかは試し履きで確認した方が良いです。
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