
アシックスのランニングシューズ、GT-1000 11です。
ゆっくりペースから使いやすくオーバープロネーションに対応したモデルとしては同じアシックスのゲルカヤノやGT-2000より価格が安いですがシューズの作りや見た目にチープさはないです。
アッパーについてはGT-1000シリーズの特長である踵部の優れたホールド性は期待通りです。
ソールの作りは10代目までとは大きく変わり、スタビリティモデルとしての機能を支えためにGT-2000 10やゲルカヤノ29にも搭載されているLITETRUSS(ライトトラス)が採用されています。
サイズ感やもう少し詳しい履き心地は↓に続きます。
サイズ感と履き心地
サイズ感
GT-1000 11のウィズ(足囲)はメンズでは標準幅のSTANDARD(スタンダード)と4E相当のEXTRA WIDE(エキストラワイド)で、レディースは標準幅のSTANDARD(スタンダード)とWIDE(ワイド)です。
サイズ展開は以下の通りです。レディースでも大きめのサイズがあります。
- メンズのスタンダード(標準幅):24.5cm~29.0cm(0.5cm刻み)と30.0cm,31.0cm,32.0cmです。
- メンズのエキストラワイド(4E相当):25.5cm~29.0cm(0.5cm刻み)と30.0cm,31.0cm,32.0cmです。
- レディースはスタンダードとワイドともに0.5cm刻みで22.5~26.5cmまであります。
右足:足長254mm,足囲240mm
左足:足長253mm,足囲235mm
※足の形やサイズの好みは人それぞれ違います。サイズ感についてはあくまで目安としていただければと思います。
項目 | 左足 | 右足 |
足長 | 25.2cm | 25.3cm |
足幅 | 9.7cm | 10.0cm |
足囲 | 23.3cm | 23.9cm |
かかと幅 | 6.6cm | 6.5cm |
足甲高さ | 6.0cm | 6.1cm |

GT-1000 11で選んだサイズはスタンダード(標準幅)の26.5cmで足長的に十分な余裕を感じます。私の場合は9代目では爪の上側が狭くてアッパーの生地に触れることがありましたが10代目と今回の11代目では気になりません。
横幅は7代目から9代目は前足部が爪の上側の狭さに比べて少し広めに感じていましたが、11代目は緩くならず中足部や踵部へかけてもフィットしやすくなりました。ゆっくりペースで走れるモデルのスタンダード(標準幅)としては少し細めに感じます。ナローモデルがなくなってしまったGT-2000 10やゲルカヤノ29のスタンダードと比べてもタイトにフィットします。

シュータンはふんわりと柔らかい感触ですが、厚みが大きいため足の形によっては甲の部分が低く感じるかもしれません。ハトメの間隔は細くも広くもならず靴紐による圧迫感はありません。
足長 | 小さい | |・・・・・・・| | 大きい |
爪の上側 | 低い | |・・・・・・・| | 高い |
横幅 | 細い | |・・・・・・・| | 広い |
甲の部分 | 低い | |・・・・・・・| | 高い |
ハトメの間隔 | 細い | |・・・・・・・| | 広い |
かかと部 | 細い | |・・・・・・・| | ゆるい |
アッパーとソール

アッパーの生地はペラペラではなく適度に厚みがあり足あたりは柔らかく優しいフィット感です。サイドのアシックスストライプはガッチリとした補強の役割はないですが生地の必要なところは伸縮が少なく作られています。そのため中足部あたりのホールド性は弱くなく走行中に足もブレにくくなっています。
靴紐の長さは2段ハトメ(ダブルアイレット)にしたい場合は短いと思います。
また、靴紐はシュータンに3ヶ所で通せるようになっていますが外ズレを防ぐ役割はないようです。

ソールの構造は前モデルの10代目までとは大きく異なります。
オーバープロネーションを抑制するために10代目まで搭載されていたDUOMAX(デュオマックス)が11代目ではLITETRUSS(ライトトラス)に変わっています。
LITETRUSSは中足部からミッドソールの内側にかけて高硬度EVA素材を使用して着地時の足のねじれや内側への倒れこみを抑制する機能があるそうです。
しかし、外側から手で押さえてみるとこれまでのDUOMAXのような硬さは感じません。

ミッドソールの素材は10代目と同じFLYTEFOAM(フライトフォーム)です。新しい素材が搭載されているモデルと比べて目新しさはないですが軽くて柔らかい感触は心地よく走れます。
10代目では同じ素材でも踏みつけ部あたりが硬めでしたが、11代目では全面に柔らかさを感じます。10代目で蹴り出しの際に力が入りやすいと感じていた方は試し履きの際に確認した方が良さそうです。
踵部にはGEL(ゲル)が外側から見えるように搭載されています。意識して踵から着地してみると不安定にはなりませんがDUOMAXが使われていたモデルより柔らかさを感じやすいです。個人的にはせめて7代目と8代目のようにGELがミッドソールに内蔵されていると着地の圧力でGELが潰れて外側に広がらず踵の安定性がさらに良くなる気がします。
それでも、LITETRUSSは手で触れたときの印象とは異なり着地の際に内側に倒れにくい感覚はしっかりあります。

アウターソールを見ると10代目までのようなTRUSSTIC(トラスティック)という中足部のパーツもなくなっています。代わりにLITETRUSS(ライトトラス)が走行中のシューズのねじれを抑えて安定性を高める役割も担っているようです。形状はフラットソールで接地から蹴り出しまでスムーズです。
ラバー部分については濡れていたり砂がある路面だとグリップ力は弱く感じます。
記事作成時点ではアシックスだけでなく他のブランドでもフラットソールが増えているように感じます。
走り心地としてはゆっくりペースだとソールの柔らかさを感じやすいですが安定感もあります。少しスピードを上げると柔らかさは少なくなりソールの厚みも思ったより大きく感じず軽やかに走れます。
踵のフィット性

履き口周りの生地は厚みがあり履き心地も少し浅い気がしますが、踵はしっかり引っ掛かってスベスベしたりスコスコ浮くことはないです。
個人的にシリーズを通して踵のホールド性に優れている点がGT-1000の一番の特長のように思います。
ただ、ヒールカウンターはガチガチではなく手で押さえるとちょっとしなるくらいの硬さです。
中敷き

中敷きはふんわりしてシューズに入れる際にはスムーズにいかないくらいの柔らかさがあります。個人的にはミッドソール自体が柔らかいのでもう少し硬めの方が走りやすいです。
厚さは前足部の底が平面でなくカーブしているため均一ではないですが、つま先部分は約5mmで踵部が約8mmです。
中敷きは取替式のため他のインソールに入れ替えることができます。

同じアシックスの別売中敷ではPERFORMANCE SOCKLINERが硬さがあるため取り替えると足裏のフワフワ感が少し抑えられます。GT-1000 11に適合するだけあってシューズのサイズに合わせて印されているラインに沿ってカットすると元の中敷きと大きさはほぼ同じでした。重さも同じくらいです。
品番は靴幅がメンズのエキストラワイド用だけ「1173A028」になります。それ以外はメンズとレディースともにどの幅も「1173A029」です。
最後に
GT-1000 11は旧モデルから使用してきた方ではスタビリティモデルとしての安定性がDUOMAXやTRUSSTIC(トラスティック)の組み合わせの方が良かったと感じるかもしれません。また、BLAST BEYONDシリーズやRIDEシリーズのように強く弾んだりやラクに前に進むような感覚はないです。
しかし、ランニングシューズの基本機能はしっかりしていて走り心地のクセも少ないためこれから運動をはじめたい方にも使いやすいモデルだと思います。
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