アシックスのランニングシューズ、GEL KAYANO 30(ゲルカヤノ30)です。
高い衝撃吸収性と反発弾性を感じながらスタビリティモデルとしての安定性も優れています。そのため初心者ランナーから使いやすく本格的な長距離のランニングでも安心なモデルです。
ソールの構造が前モデルの29代目で大きく変わったばかりですが、今回の30代目の節目のモデルではさらに新しい作りになっています。
アッパーについてはメンズにナロー(細め)モデルが帰ってきました。これでメンズとレディースともに3種類のウィズ(足囲)から選べます。
サイズ感と履き心地
ゲルカヤノ30のサイズ展開はメンズが24.5~29.0cm(0.5cm刻み)と30.0,31.0,32.0cm、レディースは22.5~26.5cm(0.5cm刻み)です。
ウィズ(足囲)はメンズとレディースともに3種類から選べます。そして、メンズとレディースはラスト(靴型)が異なるためサイズが重なる24.5cm~26.5cmでは6種類から選べます。ただ、ナローは直営店限定です。公式通販でも購入できます。
メンズのウィズ(足囲)は以下の通りです。
- NARROW(ナロー)は細め。
- STANDARD(スタンダード)は標準。
- EXTRA WIDE(エキストラワイド)はかなり広め。
扱っているスポーツ店の表記ではスタンダードとエキストラワイドはそれぞれ2E相当と4E相当でナローは旧モデルと同じであればE相当だと思います。
レディースのウィズ(足囲)は以下の通りです。
- NARROW(ナロー)は細め。
- STANDARD(スタンダード)は標準。
- WIDE(ワイド)は広め。
扱っているスポーツ店の表記ではスタンダードとワイドはそれぞれE相当と2E相当でナローは旧モデルと同じであればD相当だと思います。
サイズ感
項目 | 左足 | 右足 |
足長 | 25.2cm | 25.3cm |
足幅 | 9.7cm | 10.0cm |
足囲 | 23.3cm | 23.9cm |
かかと幅 | 6.6cm | 6.5cm |
足甲高さ | 6.0cm | 6.1cm |
サイズは前モデルの29代目と同じスタンダード(標準幅)の26.5cmから試してみました。前足部のゆったり感は29代目と変わらないように感じます。中足部のサイドからのフィット感はナローモデルがあるためか29代目より少しゆとりがある気がします。
私の場合はナローの方が足に合いそうに思いましたが、足長がアシックスの中でゆっくりペースで走れるモデルとしてはGTシリーズなどと比べると29代目と同じようにやや小さめに感じます。そのためナローでは指周りが窮屈に感じたためスタンダードを選びました。
スタンダードでも甲の部分はハトメの間隔が細くならず靴紐を強く締め上げなくても心地よくフィットします。
前足部と中足部のサイドはゆとりがある履き心地ですが踵部は緩くなく履き口周りにかけてガッチリしています。
足長 | 小さい | |・・・・・・・| | 大きい |
爪の上側 | 低い | |・・・・・・・| | 高い |
横幅 | 細い | |・・・・・・・| | 広い |
甲の部分 | 低い | |・・・・・・・| | 高い |
ハトメの間隔 | 細い | |・・・・・・・| | 広い |
かかと部 | 細い | |・・・・・・・| | ゆるい |
アッパーとソール
アッパーについては29代目にはなかったナローモデルと比べてしまうためスタンダードでは中足部あたりのホールド感が弱い気がします。しかし、生地はエンジニアードニットで足あたりは快適ながら必要な部分は伸びにくく走行中に足がブレるのを抑えてくれるように感じます。
シュータンはアッパーと一体化されて外ズレしにくく足が包まれるようなフィット感も快適です。
ソールについては28代目までスタビリティモデルとしての機能を支えてきたDUOMAX(デュオマックス)やTRUSSTIC(トラスティック)という硬い樹脂製のパーツが29代目ではLITETRUSS(ライトトラス)という構造に変わり驚きましたが、今回の30代目ではさらに新しく4D GUIDANCE SYSTEM(4Dガイダンスシステム)が搭載されています。
ミッドソールやアウターソールに広がりを持たせたり、スムーズな接地を促すための踵部の適切な傾斜や土踏まず部分の高反発フォーム材により走行時の変化に合わせて安定性と快適性が得られるようになっています。
旧モデルでDUOMAX(デュオマックス)があったあたりは硬さがなくなり手で軽く押さえても柔らかさを感じます。前モデルまでのように着地時の足のねじれや内側への倒れこみを抑えることができるのか心配でしたが、実際に使用してみると踵からの着地の瞬間は柔らかさを強く感じるものの内側へは倒れこまず、なぜか硬ささえ感じます。ただ、実際に硬いわけではなく土踏まず部分に配置されたパーツに素早く押し戻す力があるためにそう感じるようで不思議な感覚です。
モデル名にもあるGEL(ゲル)については29代目までのように外側からは見えなくなり、より柔らかくなったPureGEL(ピュアゲル)が採用され踵部に内蔵されています。
これまでGELが使用されていたモデルではGT-1000シリーズの7代目と8代目でGELがミッドソールに内蔵されていました。個人的には内蔵されている方が着地の圧力でGELが潰れて外側に広がらず踵の安定性が良い気がしていましたので、ゲルカヤノの30代目でも柔らかくなったミッドソールやGELではこの構造の方が合っているように思います。
アウトソールのパターンは前モデルから大きく変わったように見えませんが、30代目では横幅が広くなりガイダンスラインの溝もしっかりあります。形状は28代目からはフラットソールになっています。接地から蹴り出しまで体重移動がスムーズで、つま先部分が少し上に反っていて踏みつけ部にも力が入りやすい走り心地です。
踵のフィット性
今回の30代目ではソールの方に注目がいってますが、アッパーも踵部はガッチリと硬さがありホールド力が抜群でサポート性に優れています。個人的に30代目で一番気に入っているところです。
中敷き
中敷は29代目と裏面の番号が同じですが、扱いに慣れてきたためか29代目のようにシューズからの出し入れがスムーズにいかないほどに柔らかさを感じません。それでも足裏はふんわりと心地よい感触です。
厚さは前足部の底が平面でなくカーブしているため均一ではないですが、つま先部分は約5mmで踵部が約7.5mmです。
最後に
ゲルカヤノ30は実際に使用されているランナーのレビューを見ると、28代目までのゲルカヤノとは異なる考え方で作られたソールの接地感に違和感を覚える方もいるようです。価格も上がっているため旧モデルからの愛用者でもアッパーのサイズ感やフィット感だけでなくソールの感触も試し履きで慎重に確認した方が良さそうです。
個人的には着地の感触が柔らかくなりながらもスタビリティモデルとしての機能性は保持されて、GT-1000やGT-2000とも違うゲルカヤノだと分かる走り心地に感じます。
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